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はじめに:Looopでんきは「節約の天才」か、それとも「家計の爆弾」か?
「基本料金0円!」「電気代が安くなる!」そんな魅力的な言葉で注目を集めるLooopでんき。でも、インターネットで検索すると「最悪」「高すぎる」なんて、ちょっと怖い言葉も出てきて、一体どっちを信じたらいいの?と不安になりますよね。
結論から言うと、Looopでんきは「乗りこなせれば最強の節約ツールになるけれど、一歩間違えれば家計を直撃する爆弾にもなり得る、上級者向けの電力会社」です。
Looopでんきの最大の特徴は、スーパーの野菜の値段が毎日変わるように、電気の値段が30分ごとに変わる「市場連動型」という、ちょっと変わった仕組みにあります。この仕組みを上手に利用できれば、電気代を劇的に安くすることも可能です。しかし、何も考えずに電気を使っていると、いつの間にか電気代がとんでもない金額に跳ね上がってしまう危険もはらんでいるのです。
この記事では、そんなLooopでんきの「本当の姿」を、プロの視点から、誰にでも分かる言葉で丸裸にします。会社の成り立ちから、気になる料金プランのカラクリ、実際に使っている人たちのリアルな声、そして「あなたがLooopでんきに向いているか、いないか」まで、正直にお伝えします。これを読めば、Looopでんきがあなたにとって最高のパートナーになるか、それとも避けるべき選択肢なのか、ハッキリと見えてくるはずです。
Looopでんきって、どんな会社?
Looopでんきを理解するには、まずこの会社がどうやって生まれたかを知るのが一番の近道です。
物語は、2011年の東日本大震災から始まります。Looopの創業者たちは、被災した地域に太陽光パネルを設置するボランティア活動をしていました。その経験から、「太陽光のような自然のエネルギーを、もっとみんなが当たり前に使えるようにしたい」という強い想いが生まれたのです。
最初は「基本料金0円、使った分だけ払う」という、とても分かりやすいプランで人気を集めました。しかし2022年、世界的な燃料価格の高騰という大きな嵐が電力業界を襲います。電気の仕入れ値がどんどん上がり、これまでのやり方では会社が立ち行かなくなってしまいました。
そこでLooopは、大きな決断をします。それが、今の主力プランである「スマートタイムONE」への全面移行でした。これは、電気の値段が30分ごとに変わる、あの「市場連動型」プランです。
なぜ、そんな分かりにくいプランに変えたのでしょうか?
実はこれこそが、Looopが創業当初から目指していた理想の形だったのです。太陽光発電は、晴れた昼間にはたくさん電気が作れて余ってしまう一方、夜は全く作れません。値段が常に同じだと、みんな電気の使い方を工夫しませんよね。
そこでLooopは、電気が余って安くなっている時間帯をアプリでお知らせし、「安い今のうちに電気を使いましょう!」と呼びかけることにしたのです。私たち利用者が、電気の値段を意識して賢く電気を使うようになれば、太陽光などの自然エネルギーを無駄なく使え、社会全体の電気代も安くなる。Looopでんきは、私たちを単なる「お客さん」ではなく、一緒にエネルギー問題を解決していく「パートナー」だと考えているのです。
料金プラン「スマートタイムONE」の仕組みを徹底解剖!
Looopでんきの料金プランは、これまでの電力会社とは全く違います。でも大丈夫、一つずつ見ていけば、ちゃんと理解できますよ。
電気の値段が30分ごとに変わるって、どういうこと?
Looopでんきの電気代のメイン部分(電源料金)は、「電気の卸売市場(JEPX)」の値段と30分ごとに連動して変わります。
この市場の値段は、電気の「欲しい量(需要)」と「作れる量(供給)」のバランスで決まります。
- 値段が安くなる時:太陽がサンサンと照っている平日の昼間など。太陽光発電で電気がたくさん作られ、余っている状態。
- 値段が高くなる時:みんなが家に帰ってきて一斉に電気を使い始める夕方や、寒い冬の朝など。電気が足りなくなりがちな状態 。
この30分ごとの値段の動きが、そのままあなたの家の電気代単価になる、というわけです。Looopでんきの専用アプリを使えば、次の日の値段を前もってチェックできるので、「明日はお昼に洗濯機を回そう」なんて計画も立てられます。
毎月の請求書、何にお金を払っているの?
Looopでんきの請求書は、大きく2つのパーツでできています。
- 毎月必ずかかる固定費(基本料金にあたる部分)
これは、電気を全く使わなくてもかかるお金です。家のブレーカーの大きさ(契約アンペア)によって金額が決まります。中身は、電線を維持するための費用や、将来も安定して電気を供給するための協力金などで構成されています。 - 使った分だけかかる変動費
こちらが、実際に使った電気の量(kWh)に応じて変わるお金です。中身はちょっと複雑です。- 電源料金:先ほど説明した、30分ごとに値段が変わる電気そのものの料金。
- Looopのサービス料など:Looopでんきの運営費や、電線を借りるための費用など、1kWhあたりにかかる固定の料金 。
- 再エネ賦課金:再生可能エネルギーを広めるために、電気を使う人みんなで負担しているお金。
【料金のイメージ図(東京電力エリア・30A契約の場合)】
区分 | 項目名 | ざっくり言うと… | 金額の決まり方 |
---|---|---|---|
固定費 | 基本料金に相当する部分 | 毎月必ずかかるお金 | ブレーカーの大きさで決まる |
変動費 | 使った分だけかかる部分 | 電気の仕入れ値(30分ごとに変動)+ Looopのサービス料 + みんなで払う協力金 | 使った電気の量で決まる |
「燃料費調整額0円」の本当の意味
Looopでんきは「燃料費調整額が0円です!」とうたっています。これは、他の電力会社が請求書に記載している「燃料費調整額」という項目がない、という意味で、間違いではありません。
しかし、「燃料の値段が上がっても、うちの電気代には関係ないんだ!」と思ったら、それは大きな間違いです。
実は、電気を作るための燃料の値段が上がれば、電気の卸売市場の値段も上がります。つまり、Looopでんきの場合、「燃料費調整額」という名前こそありませんが、その中身は「電源料金」というメインの料金にしっかり含まれていて、しかもほぼリアルタイムで反映されるのです。
他の電力会社が数ヶ月遅れで反映させるところを、Looopでんきはもっとダイレクトに、すぐに反映させる仕組み、と理解するのが正解です。
Looopでんきに乗り換えるメリットは?
このちょっと変わった仕組み、使いこなせれば大きなメリットがあります。
① 電気代が安い時間を狙って、賢く節約できる!
Looopでんきの最大の魅力は、なんといってもこれです。電気の値段が安い時間帯を狙って、電気をたくさん使う家電(洗濯乾燥機、食洗機、電気自動車の充電など)を動かす「ピークシフト」をすることで、電気代を大幅に安くできます。
晴れた日の昼間には、電気の値段が1kWhあたり1円以下になることも。そんな夢のような時間に家事を集中させれば、特に電気をたくさん使うご家庭ほど、大きな節約が期待できます。「アプリで値段をチェックしながら家事をするのが、ゲームみたいで楽しい!」という声も多いんですよ。
② 節約を助けてくれる、便利な専用アプリ
この賢い節約生活に欠かせないのが、Looopでんきの公式アプリです。
このアプリには「でんき予報」という機能があり、次の日の電気の値段がグラフで一目で分かります。これを見れば、「明日は昼過ぎが安いから、その時間にアイロンがけをしよう」なんて計画が簡単に立てられます。値段が安くなった時にスマホにお知らせしてくれる機能もあるので、お得なチャンスを逃しません。このアプリの使いやすさが、Looopでんきの価値を何倍にも高めています。
③ 合わなかったら、いつでもやめられる安心感
「でも、自分に使いこなせるか不安…」という方もご安心を。Looopでんきには、「〇年使わないとダメ」といった契約の縛りや、やめる時にお金がかかる解約金がありません。
「とりあえず試してみて、もし自分の生活に合わなかったら、また別の会社に乗り換えよう」という気軽な気持ちで始められるのは、大きなメリットですよね。
④ ガスとセットでさらにお得に(一部エリア限定)
東京ガスのエリアにお住まいの方なら、「Looopでんき+ガス」をセットで契約すると、電気代の単価が1kWhあたり1円安くなる割引があります。電気をたくさん使うご家庭なら、これだけで月に数百円以上お得になることも。ただし、使えるエリアが限られているので、契約前にお住まいの地域が対象か確認してくださいね。
知らないと危険!Looopでんきのデメリットとリスク
良いことばかりではありません。Looopでんきには、契約前に必ず知っておくべき、大きなリスクもあります。
① 電気代が突然、異常に高くなる「スパイク」の恐怖
市場連動型プランの最大のデメリットは、電気代がいつ跳ね上がるか分からない、という点です。
例えば、記録的な猛暑や大寒波でみんなが一斉にエアコンを使ったり、大きな発電所が故障したりすると、電気の卸売市場の値段が異常に高騰することがあります。これを「スパイク」と呼びます。
もし、この値段が爆上がりしている時間帯にうっかり電気を使ってしまうと、請求書を見てビックリ!なんてことになりかねません。「いつ高くなるか分からなくて不安」という口コミが多いのは、このためです。Looopでんきも、あまりに高くなりすぎないように上限を設けるなどの対策はしていますが、リスクがゼロになるわけではありません。毎月の支払額を安定させたいご家庭には、この仕組みは大きな不安材料になります。
② あなたの生活スタイルに合わない可能性
Looopでんきは、「電気を使う時間をずらせる」ことが大前提です。そのため、次のようなご家庭には、残念ながら向いていません。
- 赤ちゃんやお年寄りがいるご家庭:一日中エアコンをつけておく必要があり、電気を使う時間を調整するのが難しい。
- 在宅ワークをしている方:仕事でパソコンなどを使う昼間の電気代が高いと、節約のメリットを受けにくい。
- ペットを飼っているご家庭:お留守番中のペットのために、エアコンをつけっぱなしにする必要がある。
- 生活リズムが決まっているご家庭:仕事の都合などで、どうしても電気代が高い夕方に電気を使うことが多くなってしまう。
こうしたご家庭では、節約できる金額よりも、電気代が高くなるリスクの方が大きくなってしまう可能性があります。
③ ポイントが貯まらない
楽天でんきやauでんきのように、電気代の支払いでポイントが貯まるサービスはありません。Looopでんきは、あくまで「電気の使い方を工夫して直接安くする」ことに特化しています。ポイ活を重視する方には、物足りなく感じるでしょう。
④ ちょっと不便なサービス内容
- 支払い方法:支払いはクレジットカードのみ。口座振替やコンビニ払いはできません。
- ガスセット割のエリア:お得なガスとのセット割は、東京ガスエリアの一部だけです。
- オール電化プランがない:夜間の電気代が安くなる、オール電化住宅専用のプランがありません。
実際に使っている人の「生の声」を集めました
Looopでんきの評判は、良い・悪いで真っ二つに分かれています。その理由を探るには、特に2022年にLooopでんきに起きた「ある事件」を知る必要があります。
良い口コミ:「節約がゲームみたいで楽しい!」
Looopでんきに満足しているのは、この仕組みを積極的に楽しんでいる方々です。
- 「本当に電気代が安くなった!」という喜びの声。
- 「アプリの予報を見ながら、安い時間を狙うのがゲームみたいで楽しい」という、新しい電気との付き合い方を楽しんでいる声。
- 「解約金がないから、気軽に試せてよかった」という安心感。
彼らは、値段が変わることを「リスク」ではなく「チャンス」と捉え、主体的に電気の使い方をコントロールすることを楽しんでいるのです。
悪い口コミ:「裏切られた!」2022年に何があったのか?
一方で、「最悪」「二度と契約しない」といった厳しい声もたくさんあります。その多くは、2022年に起きた出来事が原因です。
2022年、世界的な燃料価格の高騰で、Looopでんきは何度も値上げをしました。そしてついに、それまでの「基本料金0円、使った分だけ」という分かりやすいプランを全てやめ、
全利用者を強制的に、今の「市場連動型プラン」に移行させたのです。
「分かりやすくて安いから契約したのに、話が違う!」—。多くの利用者がそう感じ、裏切られたという気持ちになったのも無理はありません。
- 「安いと思って契約したのに、逆に高くなった」という怒りの声。
- 「一方的にプランを変えるなんて、信用できない」という不信感。
- 「問い合わせても、対応が悪かった」というサポートへの不満。
ここで大事なのは、昔のLooopでんきと、今のLooopでんきは、全くの別物だということです。
昔からの利用者が怒っているのは、「安定した安いプラン」という約束を破られたからです。しかし、これから契約するあなたは、最初から「電気の値段が毎日変わる、ちょっとスリリングなプラン」だと分かった上で、自分の意思で選ぶことになります。
ですから、昔の悪い口コミをそのまま鵜呑みにするのではなく、「今のプランが自分に合うかどうか」という視点で判断することが大切です。
結論:あなたはどっち?Looopでんき相性診断
さあ、これまでの話をふまえて、あなたがLooopでんきに向いているかどうか、最終診断をしてみましょう!
Looopでんきがピッタリなのは、こんな人!
- 電気をたくさん使うご家庭:使えば使うほど、安い時間帯にずらした時の節約額が大きくなります。特に月500kWh以上使うご家庭は、メリットを実感しやすいでしょう。
- 生活時間に融通が利く人:日中に家にいることが多く、洗濯や掃除の時間を自由に決められるなら、安い時間を狙い撃ちできます。
- 節約をゲーム感覚で楽しめる人:スマホアプリで毎日値段をチェックして、「よし、今だ!」と計画的に動くのが苦にならない、むしろ楽しいと感じるタイプの人。
- 電気自動車(EV)に乗っている人:電気をたくさん使うEVの充電は、まさにLooopでんきの見せ所。電気代が激安の時間に充電すれば、ガソリン代とは比べ物にならないくらいお得になります。
ちょっと待って!他の会社も考えた方がいいのは、こんな人
- 電気をあまり使わない一人暮らしの人:頑張って時間をずらしても、節約できる金額はわずか。一度でも値段が高い時間に使ってしまうと、あっという間に損をしてしまう可能性があります。
- 毎月の出費をきっちり管理したい人:電気代が月によって大きく変わるので、家計の予算が立てにくくなります。安定志向の方には向きません。
- 電気の使い方をずらせない人:仕事や家族の都合で、どうしても電気代が高い夕方に電気を使うことが多いご家庭は、かえって電気代が高くなってしまいます。
- 電気のことなんて、いちいち考えたくない人:「設定したら、あとはお任せ」がいい、という方には、Looopでんきはストレスの原因になってしまうでしょう。
【Looopでんき相性チェックリスト】
あなたはLooopでんきに「向いている」かも | あなたはLooopでんきに「向いていない」かも |
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☐ 電気の使用量が月400kWhを超えている | ☐ 電気の使用量が月200kWh以下だ |
☐ 電気自動車(EV)を持っている | ☐ 毎月の電気代は、だいたい同じ金額がいい |
☐ 日中、家にいることが多い | ☐ 平日の昼間は、ほとんど家にいない |
☐ アプリで毎日値段をチェックするのが楽しそう | ☐ 電気のことは、あまり考えたくない |
☐ 新しいサービスを試すのが好き | ☐ 赤ちゃんやペットのために、常にエアコンが必要 |
乗り換えを決めたあなたへ:手続きかんたんガイド
「よし、自分なら乗りこなせそうだ!」と決めた方へ。手続きはとても簡単です。
申し込みの3ステップ
Looopでんきの申し込みは、公式サイトからインターネットで完結します。
Step 1: 「検針票」と「クレジットカード」を用意しよう
今の電力会社から届く「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」と、支払い用のクレジットカードを手元に準備してください。検針票に書かれている「供給地点特定番号」などの情報が必要になります。
Step 2: サイトで情報を入力する
公式サイトの申し込みフォームに、検針票の情報やあなたの名前、住所などを入力していきます。
Step 3: あとは待つだけ!
申し込みが終われば、今の電力会社への解約連絡などは、すべてLooopでんきがやってくれます。申し込みから1~2週間ほどで、利用開始日のお知らせメールが届き、その日からLooopでんき生活がスタートです。
契約ボタンを押す前に、最後の自問自答
後悔しないために、最後にこの3つを自分に問いかけてみてください。
- 「本当に、毎日電気の値段をチェックする生活を続けられる?」
- 「もし、電気代が予想の2倍になった月があっても、笑って許せる?」
- 「節約のために費やす手間やドキドキ感は、安くなる金額に見合っている?」
この問いに、すべて笑顔で「YES!」と答えられたなら、あなたはもうLooopでんきを乗りこなす準備ができています。
プロの最終結論
Looopでんきは、電力自由化が生んだ、最も刺激的で面白い電力会社です。しかし、それは「万人におすすめできるサービスではない」ということも意味します。
【Looopでんき メリット vs デメリット 早見表】
ここが最高! (メリット) | ここが心配… (デメリット) |
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✅ 使い方次第で、電気代が劇的に安くなる可能性 | ❌ 電気代が突然、とんでもなく高くなるリスク |
✅ いつでもやめられる!契約の縛り・解約金なし | ❌ 生活スタイルによっては、逆に高くなる |
✅ アプリで節約を計画するのがゲームみたいで楽しい | ❌ 毎月の電気代が読めず、家計が不安定に |
✅ 電気自動車(EV)との相性はバツグン | ❌ ポイント還元などのオマケは一切なし |
✅ 東京ガスエリアなら、ガスとセットでさらにお得 | ❌ 支払いはクレジットカードのみ |
Looopでんきを心からおすすめできるのは、「データを使いこなし、生活スタイルを柔軟に変えられる、電気をたくさん使うご家庭」です。 そんなあなたにとって、Looopでんきは家計を救うヒーローになるでしょう。
一方で、家計の安定を何よりも大切にする方、電気の使い方を工夫するのが難しい方、そして電気のことで悩みたくない方には、残念ながらおすすめできません。 そんなあなたにとって、Looopでんきは悩みのタネになってしまう可能性が高いです。
最終的な判断は、あなたのライフスタイルと価値観にかかっています。この記事を参考に、ご自身にピッタリの選択をしてくださいね。
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